ラァンフォーヱヴアー

出先・常駐先用コマンドリスト。2020年からリモートワークなので常駐なくなったけど。その他思ったことメモ。

日系SIerのおじさんから見る2023年に起こること

はじめに

あけまして。(喪中によりおめでたくはないものとする)
もう正月とは言い難いけれど、新年なのでTech業界で「2023年に起こること」を自分なりに予想してみようと思う。
トラディショナルな日本企業内で体感することと、一般消費者の文脈で体感することってだいぶ違うと思うのでビジネスTierとコンシューマTierで分けて考える。

キーワードは以下から気になったものを拾ったが、ガートナーの分析とは紐づけずに語る。

www.gartner.co.jp

本文

メタバース

ガートナーのキーワードでいうとデジタル・ヒューマン、デジタル・ツインとかも含む。

ビジネスTierでは2023年中は進まないと考える。たぶん5年10年の単位かかるのでは?せいぜい、バーチャル会議室やデザインやCAD分野で多少進む程度。 正直、忠実に再現されたバーチャルおっさんと会議したくない。

コンシューマTierの2023年は、Meta社のメタバースとどっこいどっこいのゲームもどきがメタバースを名乗って乱立すると予想。
ナーヴギアが一般発売されるまではセカンドライフのN番煎じでしかないんじゃないかな。

現行路線のまま2023年中に実現可能な方向性があるとしたら2つの方向性があると思う。
1つは、各社メタバース間が相互乗り入れできるようなオープン化の方向。業界標準プロトコルAPIが確立し相互乗り入れ可能になるなど。こうなれば多少なりとも健全。
もう1つは、現在のSNSと同様に特定企業が寡占する。こっちはクソな未来だけど現実にはこうなりそう…

NFT (非代替性トークン)/Web3

ビジネスTierは正直ピンとこない。 EDIとNFTが組み合わされば、あらゆる商取引が自動化できるみたいな未来はあるはずだが、それは少なくとも2023年ではない。 2023年は変わらず動かないんじゃないかな。

コンシューマTierだと2022年にNFTを使った電子チケットが出てきて、ようやく(胡散臭い金儲け以外の)実用的な事例が出てきた。 と思って調べたら日経Xトレンドでも取り上げられてて若干ドヤ顔。NFTチケットっていうのね。

xtrend.nikkei.com

2023年はもう一つか二つ実用的なものがでてきそう。例えば

  • ちゃんとしたNFTゲーム。これまでの稼げるゲーム(Pay2Earn)路線のクソゲーでなく、普通に面白いゲームが2023年に来ると期待を込めて予想。
  • 個人が気軽にNFTを発行するアプリ。友達と写真撮るみたいな?
  • 電子契約がらみの何か?

AI

お絵描きAI(DALL·E 2、Midjourney、Stable Diffusion、NovelAI)やチャットAI(ChatGPT)は、2022年最大のトピックだと思う。
コンシューマTierまで落とし込まれたのは間違いなくエポックメイキングな出来事。これを受けて2023年の展望を予想する。

ビジネスTierはシャドーITならぬシャドーAIが広まるのでは?
ビジネス資料をChatGPTでチェックあるいは半自動的に作成することは間違いなく2023年の多くのビジネスパーソンがやるだろう。 何なら早速正月明けから使っている人もいるのかも。

コンシューマTierだと、引き続きクリエイター業界を中心に大激震が起き続けるだろう。 ラーメンを食べる樋口円香ケーキ化ゲーミング〇んぽ華道部 とかの「AIが生成した絵がネット民のネタになる」はもうしばらくは続くだろうが、2023年後半~末ごろのお絵描きAIは「まともな絵」になり少なくなってしまうのでは?

また、2023年はAI規制の話が出てくると予想。 首相官邸無人機落下事件で ドローンが爆速規制されたように、2023年中にAI絵絡みの問題が起こり、急ごしらえな規制・法律ができると予想。
TVの老人コメンテーター様がドヤりながら「だからAIはダメなんだ!規制が必要なんだ!」とイキるような事案。
法律的なもの以外でも、pixivがAIを区別する機能をつけたり、機械学習の国際会議が声明を出すなど、自主規制的なものが別業界でも起こってくるはず。

また、絵以外のコンテンツを生成するAIについて2023年中に出るかは微妙。
音楽は出そう。
動画は出ないか。これを見る限り「文章を与えることで動画を作る」ことはできるし、これが2023年一般公開されることは大いにあり得る。
ただしお絵描きAIのようにバズらない印象。
一枚絵は「単純な絵」でも挿絵など使いようがあるが、「単純な動画」にはそのような用途がないのでさほど広まらないのでは?

動画生成AIの一つの実用化めどは「テキストで指示するとゆっくり動画の音声・映像ができて、動画制作スキルがなくてもYouTuberになれる」というところだと思うが、2023年ではなさそう。でも数年内かな。

クラウド

クラウド・データ・エコシステム、クラウドサステナビリティ、インダストリ・クラウド・プラットフォームなどのキーワードがあったから拾ったものの、正直世界が大きく変わるレベルはないと思う。
ビジネスTierで順当にブラッシュアップされて順当に導入される想定。
というか正直なところ日本企業はまだまだ「クラウドを導入する」フェーズだと思う。

テクノロジストによるデリバリの最適化

これだけキーワードというよりは文章だが、自分がやってる仕事で実感する部分があるので挙げておく。こんな記事も出たし。

www.nikkei.com

オールドスタイルのジャパニーズ企業は大企業ほど各組織ごとにシステムを導入しバラバラで管理しているので、「社内にバラバラに存在するシステムを交通整理してあるべき形を描き、それに向かってDXを進めていく」というのは非常に要求の高い仕事だと思う。2023年大きく事例が出てくるはず。

また個人的にテクノロジストという言葉には刺さるものを感じており、以下の本を読んだりもしている(よし、自然な流れでアフリエイトできたな!)

おわりに

頭のトレーニングがてら書いてみた。 これを読まれている方はどう思われただろうか。一度自分でも書いてみると面白いかもしれない。

2023年末には当たったかどうかの記事も書きたいかも。 あと、ここまで書いて思ったが「2023年に起こる〇個の出来事」みたいなまとめ方の方が年末当たったかどうか判断しやすかったと後悔。

では。